アカデミック・早稲田大学

Label Forum Japan 2026 / アカデミック・早稲田大学

アカデミック・早稲田大学

早稲田大学大学院
創造工学研究科 大森ゼミ 特別研究員
馬 茜寧

印刷業界にて10年以上の実務経験を有し、FMCG向けラベル製造のサプライチェーンおよび生産オペレーションに従事。アジア地域(中国・ベトナム・タイ)にまたがる生産・物流ネットワークの運営に携わり、P&Gをはじめとするグローバル企業向けに、年間数千万〜数億枚規模のラベル供給プロジェクトを担当。現在、早稲田大学大学院博士課程に在籍し、オペレーションズ・マネジメントおよびサプライチェーン最適化を研究している。研究では、多品種少量のマスカスタマイゼーション環境におけるJPSCCDの枠組みに基づき、単一工場から多拠点ネットワークへの拡張を通じて、収益性と柔軟性の両立を目指した意思決定支援モデル(MILP)を開発している。

 

<講演者の横顔:ラベル新聞2026年5月1日号>

需要変動時代の自動化研究
ラベルの受注から設備・生産・出荷まで

昨今のラベル市場では、物価上昇などを背景に商品仕様や価格表示の見直しが進み、品目数の細分化による改版が相次いでいる。こうした状況下、柔軟かつ迅速な生産・供給体制の構築の重要性は一段と増している。早稲田大学大学院創造理工学研究科大森研究室の馬茜寧特別研究員は、アジア地域で事業を展開する大手ラベル印刷会社で10年以上の実務経験を持ち、世界大手のブランドオーナーとの間で製造・供給体制の管理に携わってきた。そこで直面した数々の課題を解決するため、現在は「ラベル製造における受注・設備稼働・生産計画の最適化」などの研究に取り組んでいる。シリーズ第3回では、馬氏が掲げる講演テーマの背景を紹介する。

デジタル化の進展や消費行動の変化に伴い、市場は「少品種大ロット」から「多品種少ロット」へと急速に移行している、と馬氏は話す。「商品バリエーションの増加や受注の細分化により、ラベル印刷においても、従来の大量生産を前提とした生産体制や設備構成では対応が難しい場面が増えてきた」と指摘する。

多品種小ロット化が進む中で、段取り替えの増加やリードタイムの延伸、在庫や物流の調整など、工場運営における判断は年々複雑化。特に、複数拠点での生産を行う企業では「どの設備を導入するか」「どの拠点で生産するか」といった意思決定が、収益性や競争力を大きく左右する。

こうした課題に対し、現場の実務経験をもとに新たな解決手法の構築に取り組んでいるのが馬氏だ。同氏はこれまで、中国、ベトナム、タイなど複数の生産拠点を活用し、日本や韓国、東南アジア市場へラベルを供給するプロジェクトに携わってきた。その中で、年間数億枚規模のラベル製造と供給管理を経験。生産能力、物流、納期、コストなど複数の要素を考慮しながら、意思決定を行う現場の難しさを熟知している。

同氏が業務の中で一貫して実感してきたのは、市場の変化と設備構成との間に生じる「ミスマッチ」だという。市場が多品種小ロット化へ進む一方で、工場側は従来の設備構成に制約され、柔軟な対応が難しい場面が多い。また、複数拠点間で生産を調整したとしても、顧客分布や納品条件の違いによって、全体最適を実現することは容易ではない。

こうした現場の課題に対し、同氏は大森研究室で、設備構成や受注配分、複数拠点と納品先を含む供給ネットワークを対象に、さまざまな条件を想定したシミュレーションを実施。利益やリードタイム、需要充足率などへの影響を定量的に評価する手法の構築に取り組む。これにより、設備投資や生産体制の見直しといった重要な判断を、経験や勘だけに頼らず、データと検証に基づいて行うことが可能になるという。

講演では、ラベル製造を行う1工場を具体例に挙げながら、多品種小ロット時代における工場運営や設備投資、生産体制の判断をどのように整理すべきかについて解説。自動化やデータ活用を取り入れながら、いかに生産性を高め、利益につなげるかという実務面からの提案を行う。

馬氏は、ラベル需要の不確実性が高まる中で、「設備の性能だけでなく、どのような情報をもとに意思決定を行うかが重要」と指摘する。こうした問題意識と、変化の時代において最適な意思決定の自動化を求める同氏の姿勢が、講演テーマの根幹を成している。

コンファレンス

コンファレンステーマは6カテゴリー

セッションは、「基調講演」「ブランドオーナー」「インターナショナル」「マーケットトレンド」「テクニカル」「ラベルコンバーター」の6テーマで構成。ラベル・パッケージ業界の市場動向や将来展望に加え、ブランドオーナーによる採用事例や課題提起、新たなビジネスモデルの提案など、実務に直結する内容を展開します。会期中は1日10セッション、2日間で計20セッションを実施し、第一線で活躍するビジネスパーソンや専門家が最新情報を提供します。

コンファレンスパス

コンファレンスパスは、「1day]「2day」の2種類を用意しています。価格は、1dayが定価2万円、早割1万5,000円、2dayが定価2万7,000円、早割2万円(いずれも税込み)。早割の適用期限は9月30日㈬までです。

1dayは、参加日未指定でのお申し込みにも対応しています。7月末までの購入者には、優先入場レーンや前方座席優先などの特典を用意しています。企業・団体向けには、10人一括購入で1人分を無料とする制度も設けています。パスの詳細・購入は専用サイトから。

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